歯を病気から守る
●フッ素塗布
人の歯の表面はエナメル質で覆われており、この部分は人体の中でもっとも硬いところですがむし歯になると溶けてしまいます。
フッ素はこのエナメル質(ハイドロキシアパタイト)に取り込まれると、フルオロアパタイトというむし歯に強い(溶けにくい)物質に変えることができます。
また成熟していない形成期の歯(生えたての乳歯や永久歯など)に対しては、より結晶性の高いハイドロキシアパタイトを生成して、むし歯になりにくい強い歯をつくります。

●シーラント(乳幼児向けの予防法)
「シーラント」は奥歯のかみ合う面(咬合面)にできるむし歯の予防の方法です。
むし歯になりやすい奥歯の溝を接着力のあるプラスチックで埋めてむし歯の発生を予防します。
プラスチックはむし歯を削ったとき詰める“レジン”という材料なので安心ですし、しっかり埋めていればむし歯にならないという考えで普及しています。

●3DS
3DS(Dental Drug Delivery System)とは、むし歯の原因のミュータンス菌を薬剤で除菌する予防法です。
医院でカウンセリングと専用のトレー作製を行なってから、ご家庭で一定時間歯の表面に抗菌薬を作用させます。
通常の歯磨きだけで、ミュータンス菌などのむし歯の元となる細菌が付着するのを約3~4ヶ月間防ぐことが可能です。

●キシリトール
キシリトールは、白樺や樫の木などの原料から作られる天然素材の甘味料で、イチゴやほうれん草などにも含まれています。
他の糖分と異なり、むし歯の原因となる酸を作りません。
甘さの刺激によって唾液の分泌を促し、お口の中の汚れを洗い流し、お口の中が早く中性に戻るのを助けます。
さらにキシリトールにはむし歯菌の代表格である、ミュータンス菌の数を減らし、力を抑える働きがあることがわかっています。

歯やお口の中を常に清潔に保つこと、それが予防の第一歩といえます。
ご自宅でのケアは、1日3回以上のブラッシングが基本です。
短い時間で「チャッチャッ」と磨き終わるのでなく、歯の部位に合わせた丁寧なブラッシングを心がけましょう。
しかしご自宅で一生懸命にセルフケアをやっても、どうしても手の届かないところなどがでてきます。
そこで定期的に医院での「歯のクリーニング」と「PMTC(メンテナンスケア)」をお勧めしています。
これらのケアは治療と異なり、痛みも無くスッキリと気持ちよくなります。
歯のクリーニング
●歯のクリーニング
歯のクリーニングとは、フッ素を配合した専用のペーストを使用したケアです。
配合された高濃度のフッ素を歯に塗布することで、むし歯ができにくい環境をつくります。
フッ素は、塗るタイプやペースト状などいくつかの種類がありますが、患者様の状態によって最適なものを使用していきます。
お子様向けには甘いフルーツ味のフッ素を使用しますので、小さなお子様でも嫌がらずに予防できます。なお、フッ素は受付でも販売しています。

●PMTC
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、ご自宅での歯ブラシや歯間ブラシなどのセルフケアでは落とせない歯石やバクテリア膜(バイオフィルム)を、専用の器具できれいに落とすことです。
歯ブラシが届きにくく、みがき残しが多い場所に歯石などが溜まります。
定期的にクリーニングに通えば、歯がきれいになるだけでなく、むし歯や歯周病の早期発見にもつながります。

定期健診を行うことで、治療によって得られた口腔内の健康を持続させ、病気の再発を防止していきます。
むし歯や歯周病は、口腔内のメンテナンスをきちんと行わないと、再度発症してしまいます。
定期健診では、潜伏期ならびに初期の状態のうちに早期発見し早期治療へと導きます。
これにより自分の歯を、生涯健康に保つ可能性を高めていきます。
当クリニックでは、口腔内の健康から全身の健康増進に繋がるようなメンテナンスを心掛けてまいります。