歯並びが不揃いだったり、歯と歯の間に隙間があって正しくかみ合っていない状態が『不正咬合』です。
むし歯や歯周病は予防が可能ですが、先天性の要因が大きく関係する不正咬合は、ご家庭でのケアで改善することができませんので、矯正歯科治療が必要となります。
歯並びは人によって全て違うため、矯正治療の症例は患者さんによってさまざまです。
「悪い歯並び」と言われる代表的なものは「出っ歯、受け口、叢生(そうせい)、開咬(かいこう)、乱杭(らんぐい)歯」などで、見た目が悪いことに加え噛み合わせも良くないため、健康上での影響が出てくる可能性があります。
当クリニックでは、矯正専門医による相談と小矯正から年齢に応じた本格的な治療まで、歯並びや咬み合わせでお悩みの方に最良の治療を提供しています。
希望される方は、受付までお気軽にお申し付けください。
矯正治療の流れ
初回カウンセリング
初回のカウンセリングでは、ご本人やご家族の方が気になる事やご希望をお聞きし、患者様の歯ならび・噛み合わせの診察、パノラマレントゲン写真を撮影し(ご希望に応じて)、矯正専門医から見た現在の状態や考えられる治療方法についてご説明いたします。
装置の種類や治療の流れや種類(ブライダル矯正・部分矯正)、料金などについてもお気軽にご相談ください。

精密検査(30分程度)
患者様一人ひとりの噛み合わせを詳細に分析するために、精密検査を行う必要があります。検査にはレントゲン撮影、写真撮影、模型検査(歯型取り)、かみ合わせの検査、むし歯・歯周病の検査など、一人ひとりの状況に応じて検査内容を組みます。当院ではむし歯や歯周病の精密検査は必ず行い、矯正治療中の予防管理の評価もしています。
場合によっては大学病院やかかりつけの歯科医院と連携をとり、より正確で緻密な診断ができるようにします。

診断(30分~1時間程度)
精密検査で得た情報をもとに、現在の歯並びのより詳しい状況をご説明し、かみ合わせだけでなく、美しい横顔やスマイルラインなども考慮した上で、最善の治療方針をご提案します。使用する装置やその効果、予想される詳しい治療期間についても細かくご説明します。
最新のデバイスや治療方法をもとに、一人ひとりの患者様のご要望に細かく応えられるように努めています。
(全ては正確な診断のもとに考えられます。必ずしも希望通りにならないことをご理解ください。)

治療スタート!
診断が終わり、治療方針が決まったら、いよいよ治療開始です。
矯正装置を装着し、大人の方だと通常約3~4週間ごとに来院していただき、装置の調整をします。(子どもの治療の場合は異なる)当院では、矯正治療のための通院費用は全て治療費に含まれているため、無料です。
また、治療中はむし歯や歯周病のリスクが大きいため、矯正治療のための来院とは別に、予防歯科の専門医による定期的なチェックと、必要に応じて衛生士によるブラッシング指導やクリーニングを行います。

保定治療・メインテナンス
歯ならびがキレイになり矯正装置が外れた後は、そのキレイな歯ならびを維持していくために保定治療・メインテナンスに入ります。後戻りを防ぐため、通常保定装置(リテーナー)は取り外し可能な装置を用い、歯ならびの維持・安定を図ります。当院では症例に応じて保定装置を使い分けていますが、ご希望があれば、装着していても気付かれないような審美性の高いものをつくることも可能です。この時期は、数ヶ月ごとの来院で、歯ならび全体が安定するまで経過をみていきます。装置が外れて、2年間までのメインテナンスにかかる通院費用も治療費の中に含まれます。

装置の種類 ※下記以外の装置もございます。
●ブレース(ワイヤーとブラケット)とリテーナーを使った矯正治療
矯正治療は歯並びを良くするために歯を動かす治療ですので、お子様から大人まで幅広く治療が可能です。
以前は若い女性の方など、歯にブレース ( ワイヤーとブラケット ) をセットすることに抵抗を感じられることもありましたが、最近では歯列矯正の重要性や認知度もあり、気軽に治療をはじめられる方も増えてきました。
現在では、人工サファイアでできた透明のものやセラミックス製の白色もの、また歯の裏側に装着する治療法など、見えにくい様々な矯正方法も開発されています。

●目立たないホワイトワイヤー
矯正治療をする女性が増えてきたこともあり、当院では審美性にもこだわります。いくらブラケットが透明であっても、ブラケットに通すワイヤーや、それに付随した針金などはすべて金属で出来ているため、従来のものは金属色でした。当院ではワイヤーだけでなく、それに付随した針金など、目に見える金属色のものほぼ全てを白いものにすることが可能です。リーズナブルな価格で治療の最初から最後まで、自然な口元を演出します。

●床(しょう)矯正装置を使った矯正治療
矯生床 ( しょう ) 矯正は、最近浸透してきた治療法です。
このシステムの特徴は矯正装置が取り外し可能なことです。
適齢期は6~9歳くらいまでの成長期で、なるべく歯を抜かないで短期間で終わり、費用も安く抑えられるなど、メリットが大きい治療です。
顎をゆっくりと拡げて、歯を並べる画期的な矯正治療法もご検討ください。

早期治療(小児矯正)
子どもの矯正治療スタート!
子どもの矯正治療でも、「診断」までの流れは大人と同じです。 ただし治療に用いる装置は、最初から子どもにとってあまり負担にならないように、取り外し可能なものや夜寝るときだけ装着するものを中心に、一人ひとりに合った装置を選択します。 具体的には、あごの骨の成長をコントロールしたり、大人の歯が正常に生えてくるように誘導する治療になります。来院間隔は子どもの場合、基本的には約1~3ヶ月に一度で、定期観察※をすることもあります。 また、子どもの場合特に、治療中にむし歯になるリスクが高いですから、当院では定期的な予防管理も行います。
※定期観察
子どもの矯正治療期間は時として長期に渡ります。大切なことは治療にメリハリをつけて、必要な処置を必要なタイミングで行うこと。3~6ヶ月ごとに定期観察をする期間を設けることもあります。
●治療開始時期
早期治療は小児矯正ともいい、4~12歳頃に行う治療です。
一般的には大人の歯にはえかわる時期に始めるのがいいとされていますが、反対咬合など症例によっては、それよりも早い時期から始めた方がいいこともあります。一概に開始時期は早ければ早いほどいい、というわけではありません。症例ごとに治療開始時期を見極める必要があります。

●治療内容
早期治療では、成長発育を利用して、顎の骨の成長をコントロールしたり、大人の歯が正常に生えてくるように誘導してあげます。
来院間隔は1~3ヶ月に1回程度です。治療を開始する時期によっては治療期間が長期にわたるため、3~6ヶ月ごとの定期観察を行うこともあります。顎の骨が成長する時期などは決まっています。必要な治療を必要な部位に必要なタイミングで行うことが早期治療では大切です。
お子様にとって負担のない、メリハリのある治療を当クリニックでは心がけています。

症例写真
●E-line(エステティックライン)からみた唇の位置の改善
歯ならびが良くなると、顔立ちも変わります。
特に出っ歯さんの場合、いつも怒ったように口元が尖っている方をよく見かけます。Eライン(エステティックライン)といって、鼻の先から顎の先までを結んだ線を基準に口元を見てみると明らかです。この線より明らかに唇が突出しているのは審美的によくありません。
矯正治療をして歯ならびをキレイにすると、このEラインに対して唇の位置が改善し、口元が出ている感じは軽減し、横顔がキレイになります。当院で治療計画を立てる際には、必ず硬組織(歯、顎骨)だけでなく、軟組織(唇、横顔など)の評価も行い、治療後の口元や顔立ちを予測し、一人ひとりの患者様にとって審美的にも最善のプランをご提案します。
機能的に良い歯ならびは、結果として審美性を高めてくれます。


●きれいなスマイルライン
雑誌やテレビでタレントさんやモデルさんを見ると、キレイなスマイルラインを見かけることが多いと思います。
実はこのスマイルラインも、矯正治療で歯ならびを良くすることで改善することが可能なのです。笑ったときに、歯ならびが斜めに見えたり、歯ぐきが見えすぎたり、気にして口元を隠す人を日本では沢山見かけますよね。口元を気にすることがなければ、思い切り笑えますし、何も気にせず思い切り笑えることは健康的で素晴らしいことです。
当院では自信をもって笑顔になれるお手伝いをさせていただきます。

●上顎前突症例
いわゆる出っ歯さんのことです。
上の前歯が下の前歯よりも極端に出ていて、口を閉じにくかったり、無理に閉じようとすると口元が不自然に歪むことがあります。子どもの頃に指しゃぶりがあったり、口呼吸でずっと口が開きっぱなしの方に多いです。口が閉じにくいと、お口の中が乾燥し、むし歯や歯周病、口臭の原因にもなってしまいます。

●叢生症例
乱杭歯とか八重歯ともいい、デコボコした歯ならびのことをいいます。
ほとんどの日本人が多少なりともなってしまうのが、この「叢生」です。これは顎の大きさと歯の大きさのアンバランスによって生じていて、歯が生えてきたスペースが不足していることで、歯が重なったり、デコボコに生えてきてしまった状態のことをいいます。歯みがきがしづらく、むし歯や歯周病、口臭の原因にもなってしまいます。

※この症例では、治療途中がどのような状態なのか参考になるように、経過写真を載せています。一番気になる箇所はある程度の状態まで割と早い段階で改善することが多いです。
●下顎前突症例(受け口)
いわゆる受け口さんのことで、反対咬合ともいいます。
口を閉じると、下の前歯の方が上の前歯よりも前に出てしまっていて、下あごがしゃくれていたりします。遺伝的な要因がとても大きいですが、舌の悪い癖などでも誘発されると言われています。受け口は自然に治ることはなく、矯正治療が唯一の治療方法ですが、子どもの場合、比較的早い年齢から治療をすることでより良い治療結果や安定性を得ることができます。

●開咬症例(前歯が噛んでいない)
口を閉じても、上の前歯と下の前歯の間に隙間が出来てしまい、前歯がうまく閉じられない状態をいいます。子どもの頃の指しゃぶりや舌の悪い癖、口呼吸などが原因として考えられ、前歯を閉じることができないので、ものを噛み切ることが難しく、発音が不明瞭で聞き取りにくいことが多いです。

●子どもの矯正治療 取り外しのできる装置のみでの治療
子どものころから出っ歯さんや受け口さんを含め、上記のような歯ならびになってしまう子が最近では多く認められます。早めにアプローチをすることで、本人への負担を軽減することができますし、早めに見た目の改善をすることができます。
子どもの矯正治療では取り外しのできる装置を使うことがほとんどですが、前歯の噛み合わせなど、見た目にとても目立つところは実は比較的短期間で改善することが多いです。

